ダイナパックでのセッティングが完了したJZX100チェイサーですが
ダイナパックからは降ろされて
実走行セッティングを行っています。
もともと今回の作業依頼の背景には、LINKのリセッティング依頼がありまして
他店でセッティングしてもらったものの
なんど調整依頼しても治らない部分があるとの事でした。
それは、アクセルを踏まずにクラッチ操作だけでクルマが動き始めた後
アクセルを踏んでいないのに勝手に速度が上がって行ってしまう。
と言う症状でした。
自分が横乗りでオーナーに再現してもらうと
ん~これは~・・・。
クラッチ繋いだら、アクセルを踏めば良いのではないでしょうか?
と言う感じだたのですが
実際に自分で運転して見るとかなり気になります。
車庫入れやちょっとだけクルマを移動したい時に
アクセルも踏んでいないのにクルマがグっと前に出ると、おやっ?て感じになります。
それにもう一点気になっていたのがダイナパックでセッティングをしている最中も
車速入力が一切ないんです・・・。
何か関係あるかもと思って、もともとのLINKのデーターを見てみると
アイドル回転制御の停止条件としてのSPEED条件がOFFになってました。
もう一つのアイドル回転制御の停止条件として、アクセルペダルの開度がありますが
ここは3%になってます。
鋭い人なら、もうわかりましたね。
クラッチのみでクルマを発進させ、アクセルペダルも踏まない状況だと
LINKとしてはアイドル制御が続いていると判断します。
そればかりでなく、クラッチミートで落ち込んだ回転数を
アイドル制御の一環として 目標回転数まで上げようとするので
回転が上昇すればクラッチが繋がっているので速度も上がると言う流れだった様です。
SPEED停止条件を2km/hに設定する事で、車速が2km/h以上になれば
アイドル回転制御から通常回転制御に切り替わり
アイドル回転数をキープしようとする動きも無くなる訳です。
っが、どんな理由なのか、このクルマには車速の入力設定がされていませんでした。
だからダイナパックでセッティングしているときも車速が入ってこなかったんですね。
デジタル入力に後輪入力を設定し駆動輪として覚え込ませれば車速は入力できます。
入力後、試運転に出掛けるとクラッチミートだけでクルマが動いても
車速が2km/hを超えた段階で失速する様になり
やはりアイドル回転制御のSPEED停止条件の設定が出来ていなかったことが原因だったと分かりました。
こう言う細かい設定が出来るのがLINKの良い所なのですが
裏を返せば、設定がうまくできないないと不具合を起こすECUになってしまうと言うことです。
いつもの様に一度エンジンを冷やして、低水温時のセッティングに移行します。